一途な愛を語るなら
「ムーンライト」
あの「ララランド」を抑えてアカデミー賞作品賞を受賞した作品です。
先輩お気に入りの映画で何度も繰り返し見ています。
特に週末一人で過ごしたいときに。
プランBって会社が制作したんですけど、創設者はブラッド・ピットです。
なんでも自分が本当に作りたい映画を作るために設立した会社なので期待が高まりますね。
撮影期間25日で仕上げた作品だとか黒人しか登場しないとか、、
あと、最初に言っておきますけど、、、
起承転結がほとんど無く、初見では面白くないです…
一人の黒人の半生を描いていて、幼少、青年、大人と三段階にストーリーが分かれているんですけど、例えばストーリーのターニングポイントになるべき人物が次の場面では亡くなっていたり、何か問題が起こったと思ったら、もう昔の話になってたり。
この子が主人公。
めっちゃ虐められてます。
虐められる理由がまだあいまいなときです。
たまたま麻薬のバイヤーに保護されて面倒見てもらうんですね。
この麻薬のバイヤーが神々しいぐらい懐が大きくて優しいんです。
でも麻薬のバイヤーなんです。
主人公が高校生になった頃です。
自分がゲイであることに苦しんでいます。
自分の気持ちを表に出すことが苦手でうつむき黙る事が多いです。
母親もドラッグにはまり救いようがないです。
そんな主人公にも好きな人が出来るんですけど、ある問題が起こります。
そして問題を起こしてから20年ほど経って大人になった主人公。
仕事は薬のバイヤー。
なぜかムキムキのマッチョマンになってます。
この映画を見た先輩は
「コイツ結局何も変わってないやんけ」
ターニングポイントになるはずだった人物との出会いも、好きになった人との出会いも、何も身を結ぶことも無く、主人公が1番忌み嫌っていた薬のバイヤーに流されるままなっちゃってるんです(怒)
大抵こういう類いの映画は恵まれない、孤独な少年が大人になって変わったり成功したりするのが王道なんですけど、
コイツ本当に主人公か?ってぐらい自分の気持ちを表に出さないし、ずっと黙ってうつむいてるんです。
本当に自分から変わろうとしない主人公にやるせなくなります。
正直感情移入が出来ない。
でも最後は好きな人に会いに行くんです。
別にクライマックスって感じでもありません。
普通に車を走らせて、無愛想にダイナーに入っていくんです。
(先輩もこんな寂れたレトロなダイナーでメシ食ってみたい……)
右が好きな人です。
男か女かなんてこの際どうでもいいんです。
好きな人がダイナーで雇われシェフやってて、メシ作ってくれて、音楽を流してくれるんです。
主人公はこのとき初めて自然な笑みを見せてくれます。
好きな人の仕事が終わって部屋まで送ったときに主人公は言います。
「お前に会うまでこの身体に触れることを誰にも許さなかった………」
主人公が初めて自分の気持ちを伝えました。
何も変わらなかったし、変われなかった主人公。
ただ、20年経とうが好きな人への気持ちは変わることがなかった。
この映画は貧困やドラッグ、人種問題、バイセクシャル、暴力、母子家庭なんか暗い話題がてんこ盛りなんですけど、、
確実に愛とは何かを教えてくれます。
この先主人公がどうなるかは分かりません。
ドラッグのバイヤーのままなのかもしれません。
ただ、そこに愛があったのは事実です。
それが愛おしくてしょうが無い。
先輩はこの映画を理解したくて何度も見返しています。
最後に一言。
主人公はオナ禁ジャーです。